綿と麻は両方とも天然繊維として優れた性質を有していますが、この2つの違いは何なのでしょうか。
綿の代表的なものにはピマコットン、エジプト綿、新疆綿があります。
これらは世界三大コットンと言われています。
そして、以前は高級素材としてなかなか手が届かなかった麻は、今ではカジュアルな店で手軽に購入できるようになりました。
原料によって呼び名が異なるのですが、代表的なものとしてリネン、ラミー、ヘンプがあり、それぞれ用途も異なります。
さて、この2つの繊維の違いについてですが、綿の繊維は綿花、つまり花の部分から採取します。
一方、麻は茎や葉から採取することができます。綿も丈夫なのですが麻には及びません。
麻のほうが丈夫なのは、花よりしっかりした茎から繊維を採取するからだと思われます。
歴史もとても古く、4000年前のミイラを包んでいたそうです。
麻は長年使用することで心地よい肌触りになります。
また綿は麻よりもセルロースの成分量が多く、90%以上もセルロースが含まれていますが、麻のほうは60~75%ぐらいとなっているので、綿に比べて若干セルロースの成分量が少ないのです。
このことからも繊維としての性質が異なることがわかりますね。
さらに、綿と麻ではセルロースの平均重合度が異なります。
平均重合度とは高分子を作っている単分子の重合数の平均のことを言います。
ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、綿と麻は平均重合度が大きく違うので、異なる性質を有していると言えます。