平和がファッションや文化を発展させた

約260年続いた江戸時代は、鎖国によって外来の文化に乏しかったものの、それまで続いた戦乱の世と比べれば平和でした。

しかし、平和になると途端に暇を持て余すのが人間で、それが独自のファッションや文化、ブームが生まれる切っ掛けになっています。

江戸時代の庶民は長屋暮らしの住まいが殆どで、プライベートの境界線は曖昧だったといえるでしょう。
プライバシーが重視されていなかったともいえますが、それは当時の湯屋が混浴が当たり前だったことからも窺えます。

住まいといえばお風呂は湯屋でトイレは共同と、現代だと珍しい格安アパートのような家が主流のイメージです。
ただその分家賃はとても安く、今の価値の1万円が1ヶ月分くらいだったようです。

当時のファッションは、江戸っ子が粋を大切にする着こなしが人気で、細身でスリムに見せるのがブームでした。
この為、寒くても厚着をしないという、やせ我慢的な美学が定着していた形です。

江戸時代のファッションの最先端は、華やかで注目が集まる歌舞伎などの役者です。
歌舞伎ファッションのブームの担い手は、流行り物に目がない女性だけでなく、男性も女性と同様にファッションを追いかけていました。

女性に人気でコーディネートやヘアスタイルのお手本になっていたのは、何と遊女です。
それもそのはず、上流階級の相手をすることもある職業で、身だしなみや立ち居振る舞いは完璧ですから、女性達の間で尊敬されていたのも頷けます。

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